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シナリオライターって?仕事内容や目指し方について徹底解説!
シナリオライターの仕事内容とは?
シナリオライターとは、ドラマや映画、アニメ、ゲームなど様々なエンターテイメントメディアのストーリーを作り出すプロのことを指します。携わる作品における台詞・登場人物の行動から場面の描写など、作品内容のストーリー・シナリオ部分の全てを思考し、エンターテイメントとして視聴者に受け入れてもらえる具体的な形に起こすまでが彼らの仕事です。
シナリオライターの仕事は非常に多岐に渡ります。具体的には、物語の大枠を作り出すプロット作りから、具体的なセリフやシーンの描写、キャラクターの動きまでを詳細に書き込むことが挙げられます。また、物語の進行にあたり、必要な場面を想像し、そのシーンごとの動きや台詞を創造するのもシナリオライターの役割です。
今回はそんなシナリオライターの仕事について詳しく解説していきたいと思います。
シナリオライターの仕事の流れ
ここからはシナリオライターの仕事の流れについて詳しく見ていきます。
いくつかの仕事がありますが、それぞれの工程には専門的な技術や豊かな創造力、そして広い視野が求められます。
1. 仕事をもらう
シナリオライターが仕事をもらう流れは様々です。彼らが新たなシナリオ制作の依頼を受けるための主なルートを3つご紹介いたします。
① 直接依頼
既に業界で評価のあるシナリオライターであれば、自分の作品やキャリアを評価してくれるプロデューサーやディレクターから直接依頼が来ることが多いです。これは、業界の信頼関係や人間関係が大きく影響しています。
② 企画提案
一方、まだ知名度が上がっていない新人のシナリオライターの場合、自身が書きたいシナリオを企画書としてまとめ、それを制作会社や映画会社に提出することにより仕事を得ることがあります。その際に重要なことは、自らの「セラー(售る要素)」を明確にし、見ている人が作品の面白さや新規性を理解できる企画書を作成することです。
③ コンテストに参加
時折行われるシナリオのコンテストに出品し、優秀作品として選ばれることで、その後の仕事に繋がることがあります。シナリオライターとしての実力を証明できる場であると共に、作品を多くの人に公開できる優れた機会とも言えます。
2. 打ち合わせ
仕事をもらった後に続くステップが「打ち合わせ」です。この段階は、物語の全体像をつかむだけでなく、その後の制作活動の基盤を築く非常に重要なフェーズです。
打ち合わせの場では、まずクライアントや監督から依頼内容を詳しく確認します。どのようなストーリーラインを想定しているのか、どのようなキャラクターを登場させたいのか、どのようなメッセージを伝えたいのかなど、様々な要素をヒアリングします。
また、シナリオのテーマやキーワードについても深く議論します。これが明確になると、その後の取材や制作作業がスムーズに進められるだけでなく、物語が一貫性を持つようになります。
打ち合わせの過程で出てきたアイディアや要点は、しっかりと書き留めておきます。これが後の作業で大いに役立つだけでなく、それが最終的なシナリオに反映される際の指南書ともなります。
3. 取材
シナリオライターの仕事の一環として欠かせないのが「取材」です。取材とは、作品の内容を深めるために実際に現場へ足を運んだり、インターネットなどを使って調査を行うことを指します。これには、物語に登場する人物や場面の具体的な描写、専門的な言葉や生活シーンなどをよりリアルに描くための情報や知識を集める目的があります。
シナリオライターが取材を行う際には、作品のテーマや舞台背景をしっかりと理解しておくことが欠かせません。例えば、医療ドラマを書くためには、実際の医療現場を体験するか、医師や看護師などから話を聞いてリアルな医療状況を描くための情報を収集することが一般的です。また、刑事ドラマの場合は警察の現場などを取材し、実際の取り調べや捜査方法などをリアルに再現するための情報を手に入れます。
取材では、調査方法や情報収集の仕方、質問の仕方なども大切です。行った場所、話をした人の印象、自分が感じたことなど細部まで記録し、シナリオに活かすことが求められます。
取材がシナリオライティングに与える影響は大きいため、正確な情報収集や情報の活用方法を身につけることはシナリオライターとしてのスキルを磨くうえで必要不可欠です。
4. 制作
プロジェクトの概要と目標が設定され、打ち合わせと取材の結果がまとめられた後に、本格的なストーリー作りが始まります。
制作は大まかに分けて、プロット作り、シナリオ作成、セリフ作成の3つのステップに分けられます。
まず、プロット作りでは、物語の全体像を描くことが求められます。これは物語の流れや各シーンのイメージ、登場キャラクター間の関係性などを明確にするための重要なプロセスで、全体のコンセプトやテーマを踏まえながら詳細なストーリーラインを設計します。
次に、シナリオ作成では、プロットを元に具体的なシーンを描き出します。時間や場所の設定、キャラクターの動きや感情の変化、コンフリクトの発生と解決など、視覚化できるレベルで細部まで書き込む作業となります。
最後に、セリフ作成では、キャラクターごとの個性や物語の流れを表現するための言葉を選び、具体的なセリフを作り上げます。特に、キャラクターの感情や状況を視聴者に伝える力が求められます。
このように、制作フェーズは多くの工程を経て構築されるため、一貫性と深みを保ちながら、視聴者を引きつけるストーリーを作り上げることが重要となります。
5. 修正
シナリオライターの仕事フローの中で押さえておかなければならない部分が「修正」です。
シナリオ制作は、ディレクターやプロデューサー、その他のスタッフからのフィードバックを元に、何度も何度も修正を繰り返す作業となります。この修正がシナリオライターの仕事の中で大きな割合を占めると言っても過言ではありません。また、その修正作業は単に文章や表現を直すだけではなく、ストーリー全体の流れやキャラクターの性格、言葉遣いなどの全体的な調整、シーンの追加や削除といった大幅な変更も含まれます。
修正作業の中で大切なのは、与えられたフィードバックを受け入れ、そのうえで最高の作品を作るという柔軟さと根気強さです。また、自身のアイディアを上手にアピールし、他のスタッフとのコミュニケーションを円滑に進めるためのコミュニケーションスキルも求められます。
そのため、修正作業はシナリオライターがクリエイティブな思考をキープしながら、現実的な制約の中で最善の結果を出すためのプロセスと言えるでしょう。コミュニケーションを取りながらシナリオを何度もブラッシュアップしていくことで、より良い作品が生まれてくるのです。
シナリオライターが活躍する場
シナリオライターと言うと映画やドラマのシナリオ作りを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、シナリオライターの活動場所はそれだけにとどまりません。多岐にわたるメディアで活躍の幅を広げることができるのがシナリオライターの魅力です。
1. ドラマや映画
映画やドラマでは、シナリオライターは作品の大切な要素を担当しています。彼らの主な仕事は、視覚的または聴覚的な要素を含む映像作品の物語を作り上げることです。その物語は、観客が作品と共感したり、感じたりするための土台を作ります。
物語を作り上げるには、シナリオライターは物語の全体像を描いたり、キャラクターの設定を考えたりします。さらに、感情的な起伏を描いたり、サスペンスを作り上げたりする必要もあります。
例えばドラマ制作においては、シナリオライターはエピソードの流れや事件の解決方法、キャラクター間の関係を考えるなど、一話一話をつなぎ合わせるのが役割となります。また、視聴者がどの程度物語に引き込まれるかを意識しながら、視聴者が共感できるような細部までの描写を行います。
映画制作においても、監督やプロデューサーと共に物語を作り上げていきます。全体のテーマやテーマに合わせたストーリー展開、オープニングからエンディングまでの流れなどを担当します。
2. アニメ
アニメのシナリオライターは、オリジナル作品の場合、自らの想像力を駆使して物語の全体像を創り出すだけでなく、様々なキャラクターの性格や癖、それぞれのエピソードを設定します。また、既存の作品をアニメ化する場合、原作に忠実でありつつ、視覚メディアとしての表現力を最大限に活用するためのアレンジも行います。これらの役割をすべて担うため、アニメのシナリオライターは、物語作りに幅広い知識と深い洞察力、そして緻密な計画力が求められます。
また、アニメのシナリオライターは、アニメーション制作会社や放送局だけでなく、WEBアニメやアプリゲームなど、新たなメディアにも求められています。特に、近年は海外のファンも増え、日本のアニメが世界的に認知されるようになりました。そのため、異なる文化背景を持つ視聴者にも共感を持ってもらえるような、普遍的なテーマを取り扱いつつも、独自の視点で描かれる作品が求められています。
3. 舞台
シナリオライターが活躍する場は、映画やドラマだけでなく、舞台にも広がっています。演劇では、俳優の演じるキャラクターや物語の展開を描く役割を担います。そのため、舞台作品におけるシナリオライターの仕事は極めて重要で、一作品の成功を左右する可能性があります。
舞台のシナリオライターは、物語のあり方やキャラクター造形だけでなく、舞台上での人物の動きや立ち位置、必要な道具、光や音の効果等も考え、具体的な指示を脚本に盛り込むことが求められます。これらの指示により、演出家や俳優たちは彼らのパフォーマンスを形づくります。
加えて、舞台では映像メディアと比べて直接的な視覚的エフェクトに頼ることが少ないため、より言葉の力に頼る部分が大きいです。そのため、舞台のシナリオライターは、日常会話を超えた劇的な対話や独白を編み出す力や、観客の心を引きつけるストーリーテリングの技術を必要とします。
4. ゲーム
近年、シナリオライターの活躍の場として注目されているのがゲーム業界です。特に、ストーリー性が重視されるRPGやアドベンチャーゲームなどでは、キャラクターの台詞や物語の進行など、シナリオライターの役割は極めて重要となります。
ゲームでのシナリオ制作は映像作品とは異なり、プレイヤーからの選択によって物語が進行するのが一般的です。そのため、分岐するシナリオを全て考案し、それぞれに独自のレベルアップやクエストを設定するといった非常に複雑な作業となります。
また、多くのキャラクターが登場し、そのキャラクターごとに個性や背景が存在します。そのため、シナリオライターはキャラクターのセリフや行動を通じて彼らの魅力を引き出し、プレイヤーに深い感情的な関与を促さなければなりません。
ゲーム業界で成功するためには、独創的な世界観を構築する能力や固有のキャラクターを生み出せるかどうかが重要です。また、ゲームのルールやシステムを理解し、それを活用して感動的な物語を創造できるかが問われます。
さらに、ゲーム業界では技術の流行りや進化が早く、対応していくためには最新の技術トレンドを把握し、それを物語へ活かす能力も必要とされます。
5. SNS
近年、シナリオライターが活躍するフィールドとしてSNSが急速に注目を浴びています。
SNS上のコンテンツは、視覚的表現が中心とされ、発信者がストーリーテリングを通じて視聴者とのエンゲージメントを深めるために、シナリオライターの力が求められています。たとえば、インフルエンサーが自身の日常をSNSで発信する際、単に事実を述べるだけではなく、物語性のある投稿を作るためのサポートが必要となります。また、企業のSNSマーケティングでも、製品やサービスを紹介する際に一貫したストーリーを伝えるためのシナリオが使用されます。
このようにSNSでは、視聴者に伝えるべきメッセージを最も効果的にまとめ、表現するためのシナリオが重要です。そのためには、目的に応じたストーリーの作り方を理解した上で、視聴者の感情に訴えるような表現を工夫することが求められます。
SNS用のシナリオライティングでは、視聴者が読む時間や気持ちを考慮し、短くても引き込むようなストーリーを作る能力が求められます。このため、一般的なテレビドラマや映画のシナリオライティングとは少し異なる、新たなスキルが必要となります。
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シナリオライターへの道
シナリオライターになるための具体的な道筋を解説します。人によっては早い時期からこの道を選んで、専門学校や大学に進学する人もいれば、異業種からの転職や、趣味が高じてシナリオライターを目指すという人もいます。
ここでは主に必要な学歴やスキル、資格などをご紹介します。
1. 学歴・経験
シナリオライターになるために特定の学歴が必要というわけではありません。しかし、シナリオ作成のノウハウを身につけるために、映画学や演劇学、文学部などの文化芸術に関連する学部や映像系の専門学校で学ぶのも一つの手段です。
また、実際のシナリオ作成は一人で完結するものではなく、制作スタッフや監督、プロデューサー等とのコミュニケーションを通じてストーリーを練り上げる作業も含まれます。そのため、人とのコミュニケーションを取る能力やチームで働く経験も重要です。
2. 必要な資格・スキル
まず、シナリオライターになるための特別な資格は必要ありません。しかし、物語性を理解し、それを役立ててストーリーを作り出す能力や、描写力、キャラクタービジョンを描き出す力などは必要です。
① コミュニケーションスキル
他のスタッフやクライアントと良好な関係を築き、お互いのアイディアを尊重し、理解することが重要です。
② 組織力・計画性
締切を守るためには、効率的な時間管理と計画性が求められます。また複数のプロジェクトを進行させる能力も重要となります。
③ 創造力
新鮮で魅力的なストーリーを作るための創造力が求められます。それには広範で深い知識と教養が必要となります。
まとめ シナリオライターを目指すなら国際映像メディア専門学校!
今回、シナリオライターの仕事内容や具体的な仕事の流れ、活躍できる場所、そして必要な学歴やスキル等について詳しく解説してきました。シナリオライターは、映画、アニメ、舞台、ゲーム、SNSと様々な場で活躍できる職業であり、さらにはマルチな視点でストーリーテリングを行うスキルが求められる職種といえます。
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